2011 年 05 月 02 日 (月)|RSS Feed
1分で分かる肝臓・胆のう・すい臓のしくみ

by 漢方屋

1分で分かる肝臓・胆のう・すい臓のしくみ

消化器の中でも、「沈黙の臓器」と言われる肝臓、脂肪の吸収を促進する胆のう、ホルモン分泌を行うすい臓の、それぞれの働きについて、分かりやすく解説します。

肝臓・膵臓・胆嚢の病気一覧・初期症状

 

知っておきたい肝臓・胆のう・すい臓の役割

肝臓は予備能力が大きく、7割を切り取ってしまっても再生することができるといわれている働き者です

■肝臓の働き
肝臓はお腹の中にある臓器の中でも一番大きいものです。胸とお腹を分けている横隔膜のすぐ下、右肺の下に位置する場所にあり、1.2kg~1.5kgもあります。肝臓は少しの障害では症状を表さず、「沈黙の臓器」と呼ばれることもあります。肝臓は無駄に大きいわけではなく、様々な機能を果たしている臓器です。ここでは、大まかに主な働きについて書いていきます。

・ブドウ糖の代謝
肝臓は栄養素の分解、合成それに貯蔵の役割を担っています。小腸から吸収されたブドウ糖は門脈という血管を介して肝臓へ送られてきます。余剰なブドウ糖はグリコーゲンの形で肝臓に蓄えられます。そして絶食などで体に栄養が入ってこないときなどに、グリコーゲンを分解してブドウ糖にしたり、アミノ酸からブドウ糖を合成したりします。ブドウ糖は食事で言えば、炭水化物にあたります。

・アミノ酸とたんぱく質合成
肝臓はアミノ酸を合成したり、アミノ酸からたんぱく質を合成します。たんぱく質には血液を凝固する凝固因子であったり、生態防御に必要な免疫グロブリンであったり、消化や吸収に必要な酵素などがあります。ですから、肝臓の働きが悪くなると、血が止まりにくくなったりするわけです。

・脂肪の代謝
脂肪酸の分解や脂質の合成にも関わっています。脂肪(主に中性脂肪)は十二指腸でグリセリンと脂肪酸に分解されて、その後脂肪酸は小腸で吸収されてエネルギー源となります。これが、栄養を取りすぎたり、アルコールを飲みすぎたりすると、肝臓で脂肪酸とグリセリンが再合成されて貯蔵されることとなります。この中性脂肪が肝臓に溜まりすぎた状態が脂肪肝といわれるものです。

・胆汁の生成
肝臓では胆汁が作られます。胆汁とは何かというと、脂肪の消化や吸収に重要な役割を果たす胆汁酸が含まれています。この胆汁酸がないと、脂肪を消化するリパーゼという酵素がうまく働きません。

・解毒機能
肝臓は、薬物や毒物を無毒化し、胆汁中に排泄する機能も持っています。また薬物を代謝して水溶性のものに変え、腎臓から排泄されやすいようにもします。

アルコールは胃と小腸で吸収されて肝臓に運ばれます。肝臓にある酵素の働きにより分解され、最終的には二酸化炭素や水になって排泄されます。

■胆のうの働き
肝臓で作られた胆汁は胆のうに蓄えられます。胆汁は胆管を通り、十二指腸へと分泌されます。胆のうにはおよそ50mlの胆汁が含まれます。胆汁は胆のうの中で8倍ほどに濃縮され、脂肪分に富んだ食物が十二指腸に入ってくると分泌されます。肝臓の働きのところで述べたように、胆汁は脂肪の吸収を促進する働きを持っています。

■すい臓の働き
・食物の消化
すい臓は消化酵素を豊富に含む消化液を十二指腸に分泌します。すい液に含まれる消化酵素にはアミラーゼなどの炭水化物の消化に関係する酵素、トリプシンのようなたんぱく質を分解する酵素、リパーゼのように脂肪を分解する酵素があります。

・ホルモン分泌
すい臓はインスリンとグルカゴンという糖代謝に重要な役割を果たすホルモンを分泌します。インスリンは血液中のブドウ糖濃度の調整だけでなく、たんぱく質や脂肪の代謝にも深く関わっています。インスリンは血液から細胞の中にブドウ糖を取り込んだり、グリコーゲンの産生(グリコーゲンは肝臓でブドウ糖から作られる)を促すなどして、細胞の中でのブドウ糖利用を促進し、血糖値を下げる働きを持っています。

グルカゴンというホルモンは、インスリンとは逆にグリコーゲンの分解を促進したり、ブドウ糖の合成を促進したりと、血糖値を上昇させる働きを持っています。