2011 年 02 月 11 日 (金)|RSS Feed
漢方の効果と副作用について

by 漢方屋

漢方の効果と副作用について

一般不妊治療における漢方の使い方と高度生殖医療における漢方の使い方は違うものなのでしょうか?

妊娠という同じ目的でも、逆に治療が違っても、患者様の状態(証)に合わせて処方を考慮します。その点においては基本的に同じです。加えるとすれば、高度生殖医療においては、一般不妊治療では行わないような検査や治療を実施することがあるので、その検査の結果や治療の反応をみて、よりきめ細かく漢方薬の処方に反映させることができると考えています。

高度生殖医療において40歳以上の方々に漢方治療を施す事により、成績が良くなると伺っていますが、そのあたりを詳しくお話頂けますか?
平均年齢は40歳。50人が妊娠され、移植あたりの妊娠率は15.5%でした。
高度生殖医療の妊娠率に影響を及ぼす最大の要因は年齢であると言われています。アメリカでの報告によれば、20歳から30歳半ばまでの体外受精・顕微授精での妊娠率は40%前後であるのに対して、35歳頃から低下しはじめ、40歳では23%、43歳では12%、44歳では5%と確実に低下していきます。

男性不妊の治療もされていますが、男性不妊の漢方治療は行われていますか?
男性はどちらかというと、女性に比べて年齢による変化は少ないのですが、一方で、社会生活におけるストレスや睡眠不足といった日常生活での影響が大きいようです。

漢方治療をしながら、通常の西洋医学的なことを行っても大丈夫ですか?

何点か注意をすれば問題ありません。先述したとおり、漢方薬は薬であり作用も副作用もある、という事実をきちんと理解したうえで、生薬によっては、西洋薬と効果が重複したり拮抗したりする場合や、胃腸や肝臓に負担をかける場合、または西洋薬との併用で重篤な副作用が出やすくなる場合がある、ということに気をつけることが重要です。
漢方治療においての副作用について教えて頂けますか?

副作用に関してはよく誤解されているのですが、漢方薬は「副作用のない絶対安全な薬」では決してありません。身体に取り込む薬である以上「よく効くし、副作用も必ず起こりうる」ものなのです。薬は「十分な知識と経験に基づき適切に使用することにより最大限効果効能を発揮する」ものであり「作用があれば副作用もある」という事実に、洋の東西は全く関係がありません。副作用については、今後も十分に啓蒙していくことが我々の責務だと痛感しております。

具体的な副作用としては、まず、重篤なものに、間質性肺炎や低カリウム血症があげられます。

間質性肺炎は抗炎症作用のある漢方薬での発症が報告され、慢性肝炎、肝硬変、インターフェロン治療中の方に多くみられるようです。低カリウム血症は、生薬の甘草に含まれるグリチルリチンによる電解質異常によりおこります。甘草は、本来他の生薬の副作用防止のために使われ、漢方薬の多くの種類に含まれていますので、漢方薬併用の際には注意が必要です。

不妊治療においては、駆瘀血作用という血を流す作用のある生薬や便秘への生薬は流早産の危険があると言われ、多量の使用は避けたほうがいいでしょう。また、西洋学的には催奇形性に関する充分な検討報告がありませんので妊娠初期にも注意が必要です。

西洋薬同様、胃腸に負担がかかったり、アレルギーや腎、肝機能障害を起こしたりする可能性があります。

いずれにせよ、漢方薬を処方する前に併用薬を申し出ていただくこと、内服して調子が悪ければ無理に継続しないことが重要です。