2011 年 06 月 28 日 (火)|RSS Feed
鼻がむずむずするときに身体の中で何が起きているのか?

by 漢方屋

鼻がむずむずするときに身体の中で何が起きているのか?(1)

 花粉に話を戻すと、花粉そのものが体内に入るわけではありません。花粉は吸い込んだ空気と一緒に鼻の中に入り粘膜に付着します。水分を吸ってふくらんだ花粉は膨らみ、内部に含まれている微量のタンパク質が溶け出してくる。これが抗原になるのです。粘膜にもマクロファージと呼ばれる白血球の一種は巡回していて、こうした異物を捉えて食べてしまいます。これも一種の生体防御反応なのですが、マクロファージの表面には、ウィルスに侵された細胞と同様に、スギ花粉のHLA抗原が表示されるようになります。

 すると、ヘルパーT細胞が、抗体を作れという指示を出します。だが、花粉由来のタンパク質など、体内にあっても増殖するわけでもなければ、細胞の中にまで入り込むものでもありません。つまり、大量でなければ身体には無害なのです。抗体を作って、免疫系の総力を注ぎ込んで殲滅すべき相手ではありません。こんな時には、サプレッサーT細胞が働いて抗体の生産を抑制します。サプレッサーT細胞が、どんな方法で有害か無害かを判断しているのか? あるいは、何がサプレッサーT細胞を活性化させるのかは、まだよくわかっていません。