2016 年 11 月 21 日 (月)|RSS Feed
知的障害者のための施設はどんな所?

by 漢方屋

 知的障害者施設って一体どんな施設なの?

知的障害を持つ方が、社会生活に適応する能力を養い、生活習慣を確立するための支援や職能訓練などを受けられる福祉施設のことをいいます。障害を持つ方が自立し、社会生活を行なえるように支援することを目的にしています。

知的障害を持つと判定された軽度から重度までの症状の方で、障害者手帳を交付されている人が利用することができます。

知的障害者施設について

知的障害者施設にはいくつかの種類があり、入所方法も年齢や収入によって様々変わってきます。以下で詳しく説明していきます。

年齢・目的に応じて施設の種類が分かれる

 

18歳以上を対象にした施設は大きく分けて、知的障害者更生施設と知的障害者授産施設の2つに分かれます。

まず更生施設は日常生活に不可欠な食事や入浴などの支援を受けられ、行事や簡単な作業を行う事で地域と密着しながら充実した生活を送ることを目的としています。重度の障害を持つ方は更生施設に入所されることが多いようです。

また、授産施設は一般的な就職が難しい方向けに働く機会を提供し、技能を身に着け自立した生活を送れるように支援してくれる施設です。どちらも施設に入所して生活できる「入所」と、自宅から通える「通所」があります。また一時的に入所したい場合はショートステイを受け付けている施設もあります。

18歳未満の知的障害児の場合でも、児童専門の入所施設や生活全般をサポートしてくれる支援を受けることができます。

入所方法はまず相談を

まずは必要な情報(障害区分や手帳)を手元に用意し、施設に空きがあるかを問い合わせましょう。相談員の方と相談し、施設側が入所の可否を決めます。入所が決まれば必要な書類を提出し、入所準備を整えるという流れです。

障害者施設も老人養護施設と同様に空きが少なく、先に待っている方が多いのが現状で入所は困難になっていると言えます。入所を希望する場合は、早めのタイミングで入所したい若しくはさせたい施設に希望を出しておくことが大切です。

未成年の場合は、通所や短期で預けることを早くから始めて、施設との関係を作っておくのが有効な場合もあるようです。特に大きな都市部では地方に比べると空く確立が低くなります。地方施設を考慮することも一つの手段です。

状況は日々変わっているので、早くから市町村の障害福祉課や施設に問い合わせてみるのが確実です。

費用はいくらかかる?

施設によって費用はまちまちです。自己負担額は利用者の障害区分(障害の重さによってどの程度の介護を要するかを表す区分)や収入に応じて決定される場合と、利用者が20歳未満の場合は家族の収入によって決定される場合があります。いずれも支払いに無理がないように金額が設定され、生活保護を受けている場合は無料になります。

費用に不安があるご家族の場合でも様々な支援を受けられます。障害を持ったお子様の場合は成人すると両親とは別所帯として登録することができ、生活保護を申請することができます。また障害年金もあるため、必ずしも貯蓄がなくても施設の長期利用は可能になります。

知的障害者施設で働く人々

施設で働くとはどういうことでしょうか?仕事内容だけではなく、どんな人材が求められるのかを以下に説明していきます。今後福祉施設で働きたいと考えている方は参考にしてみて下さい。

主な仕事内容

基本的にどの施設でも行われているのは、食事の介助、掃除やアクティビティー、軽作業の補佐、入浴や排せつ介助、洗濯や外出への付き添いです。夜勤業務もあるので、その場合は夜間の巡回作業も含まれます。

障害者施設では介護を要する方もいますが、そうでない方も多くいます。癇癪やパニック発作を起こした際に感情のコントロールが難しくなる場合があり、特に若い利用者さんの場合は体力もあるので女性では対処しきれない状況もあります。

そういう部分とどう向き合い対処していくかという能力が求められます。体力が必要とされる職場なので男性が活躍されることも多いですが、女性の持つ細やかな気配りや思いやりがとても役立つ場でもあります。

お給料の相場

お給料は地域差もありますが、正社員の場合、月収はおよそ18万円~26万円ほどです。年収にすると20代では年収が約250~270万円、30代で年収が約270~350万円となっています。パートタイマーの場合は時給で約1,000円から雇用されることが多いようです。

福利厚生は充実している傾向にあり、社会保険完備、賞与や夜勤手当は支給されます。働く環境としては、良い待遇を提供してくれる職場が多いようです。

求人条件は?

求人情報は常に出ています。施設の種類によって仕事内容にも違いがありますので、しっかり確認するようにしましょう。

無資格の方や介助はまだ自信が無いという未経験の方でも、積極的に採用されています。興味がある場合は、まず仕事内容で選択し少しずつ経験を積んでいくという方法もあります。

福祉の勉強をしていた方や、福祉業界での経験・資格がある方はさらに求められています。資格によっては好条件での採用がある場合もあります。ホームへルパーの資格、保育資格、教員免許、介護職員初任者研修以上の資格があると優遇されることが多いです。

志望動機では、どう自分がこの仕事に貢献できるかということを積極的にアピールしましょう。必ずしも資格は必要とされていないので、やる気と思いを伝えられれば問題ありません。

実習内容は本格的

福祉系や保育系の学校では障害者施設での実習がカリキュラムに含まれています。約2週間施設に訪問して実習を行います。

施設によって内容に相違はあるようですが、まずは施設の見学や施設の目的を知ることから始まります。その後本格的な実習が開始されます。食事の介助、排せつと入浴の介助、レクリエーションを一緒に行い、掃除や洗濯を行います。

現場での実習はもちろん教科書で習ったこととは違います。しっかりと目的意識を持ち、先入観を捨てて利用者の方々と接することがとても大切なようです。

知的障害者の施設

内閣府が提示した情報によると、障害を持つ方の数は約780万人を超えており、人口の約6%に相当します。そしてこの数字は毎年増加傾向にあります。つまり入所待機者が増えているということです。都道府県別に現状や今後の取り組みについて見ていきます。

東京都

平成16年時点では都内に約340施設が整備されています。しかし待機者が多く、都内在住だった利用者が都外の施設を利用しなければならない現状があります。今後は地域への理解を求め新たな施設の整備や、逆に在宅障害者の方に対する訪問サービスを充実していくなどの課題が挙げられています。

千葉県

約230施設を有している千葉県では、障害者の方が差別を受けず暮らしやすい社会を作ることに力を入れています。教育や雇用を含め地域が関われることを模索しています。

障害者差別解消法は国が進んで推奨していますが、千葉県では漫画にして誰にでもわかりやすく説明するなどの活動をしています。千葉県のホームページでも見ることができます。

大阪府

大阪府でも他県と同様に障害者への支援に力を入れています。施設の増設は時間や費用がかかりますが、施設に頼り切らずに障害者の方が活躍できる場を提供するにはどうするかという事に力を入れています。

企業に対して積極的に障害を持つ方の採用を推進しており、登録すると「障がい者サポートカンパニー」として大阪府のホームページで紹介されます。地域を取り込んで誰もが活躍できる社会の整備に貢献しています。また「ITステーション」なるものを設置し、障害を持つ方がIT分野での訓練や就労支援をするといった取り組みもしています。

生きやすい環境を考える

障害を持つ方のご家族はその障害の程度によって大変苦労されている場合があります。年齢を重ねていくと、やむを得ず生活介助が難しくなる場合もあります。施設ではそういうときのために必要な支援を受けることができます。まずは現状を知ることが大切です。

逆に在宅でも障害を持つ方が暮らしやすくなる支援やサービスがあります。最近では就労支援など、今まであまり進歩していなかった部分にも力を入れている市町村や団体、企業が出てきました。

選べる選択肢が増えることは、とてもうれしいことです。最初は難しいかも…という思いが先行するかも知れませんが、ぜひ活用してみましょう。お互いが生きやすい社会を心から望みます。