2016 年 11 月 21 日 (月)|RSS Feed
毒を仕込んだ幹細胞の新がん治療、生存期間を延ばす

by 漢方屋

毒素を仕込んだ幹細胞を利用した新たながん治療の道が開かれようとしている。米マサチューセッツ総合病院を中心とした研究グループは、有力医学誌であるステム・セルズ誌オンライン版で、2014年10月24日に報告した。 マウスの長期生存期間延びる 緑膿菌外毒素(PE)は、文字通り細菌が持っている毒の一種だ。細胞の中の「伸張因子2(EF-2)」と呼ばれる物質を機能不全にすることでタンパク質の合成を強力に邪魔して細胞が増えにくくする。緑膿菌外毒素はがんに対する薬になり得るが、がんにうまく届けるのは困難である上に、全身への毒性や分解の早さが課題となっている。研究グループは、これらの限界を克服するために、この毒素に触れても死ぬことのない「毒素耐性幹細胞」を考案。この幹細胞が緑膿菌外毒素を出すようにして、脳腫瘍の一つ、膠芽腫(こうがしゅ)を押さえ込むように作りこんだ。マウスの実験では、単に緑膿菌外を単に注射するよりも、緑膿菌外毒素を出す毒素耐性幹細胞を使った方が、生存期間が長くなることを示すことに成功。人間の膠芽腫のがん細胞を使った実験でも毒素耐性幹細胞に反応すると確認できた。今後、幹細胞を使ったがん治療の動きが活発になりそうだ。