2011 年 10 月 11 日 (火)|RSS Feed
女性(男性)性欲の障害と治療

by 漢方屋

女性(男性)性欲の障害と治療

 

性欲の意味は、生物学的には子孫を残すことにあります。性欲は「種の保存」という欲求のひとつです。しかし、我々人類では、コミュニケーションの手段としても重要な役割を果たしています。したがって、性欲の障害は、コミュニケーションの障害として問題となることがあります。

さまざまな精神疾患・身体疾患により性欲・性行動の異常が現れます。性欲の異常としては性欲の量の異常(性欲の亢進・性欲の低下)と性欲の質の異常(パラフィリア)があります。

■性欲低下
一般にいう「性欲低下」は、実際には以下のようないくつかの障害から成り立ち、最近ではまとめて「性機能不全」と言います。性反応は欲求相(したくなる)、興奮相(ぬれる、勃起する)、オルガズム相(感じる)の3つに分類されますが、それに基づく考え方です。

●欲求相性的欲求の抑制
性的欲求低下障害 性的快感を得たい、性的接触をもちたいという気持ちが不足している状態です 性嫌悪障害 性的快感を得たい欲求はあるけれども、セックスパートナーとの性的接触を嫌悪するものです

●興奮性的興奮の障害
女性の性的興奮の障害 潤滑・膨張反応が不十分な状態。いわゆる「濡れない」ことです 男性の勃起障害 性行為が終了するまで勃起を維持できない状態。いわゆる「勃たたない」ことですかつてはインポテンスと言われましたが、最近ではED(Erectile Dysfunction)ということが提唱されています

オーガズムの障害
女性オルガズム障害 興奮相の後にオルガズムがない。いわゆる「感じない・行かない」ことです。常に全くない場合と、状況・相手によってはある場合とがあります。男性オルガズム障害 興奮相の後にオルガズムがない。いわゆる「感じない・行かない」ことです。常に全くない場合と、状況・相手によってはある場合とがあります。いわゆる「遅漏」はここに含まれます。早漏 本人が望む前に射精してしまう

■性欲亢進(過常性欲)
性欲が過常に亢進している状態です。いくつかの精神疾患・身体疾患やある種の薬物の影響下で性欲が亢進することがあります。躁状態ではかなりの頻度で性欲が昂進します。また、痴呆症の初期でも性欲の亢進を認めることがあります。

性欲が過常でなくとも、性衝動を押さえられない抑制の欠如した状態では、性欲が亢進しているように見えます(実際には性欲亢進なのか、抑制欠如なのかは区別が困難なことも多いのですが・・・)。

躁状態・痴呆症・知的障害等では抑制欠如による性的活動の問題が生ずることがあります。酩酊した状態でのセクハラなどはこれに似たようなものです・・・

本来の性欲亢進とはやや異なりますが、強迫的・衝動的に性的活動をしないと不安・緊張感がとれないケースがあります。なかでも、罪悪感にとらわれながらも衝動的な性行為を押さえられない場合、最近では性交依存症と言った診断をつける場合もあります。

■性交疼痛障害(性反応のどの相でも起きうる)
性交疼痛症 性交時の性器の痛み。もっぱら女性について言われるが、男性でもある。膣けいれん 膣の外1/3の筋層のれん縮により性交の障害を生じる。

■性嗜好障害(パラフィリア)
「異常な」性行動のことです。しかし、何を「異常」とするべきかは一概には決められません。

他人に被害を及ぼす、子どもを巻き込む、本人が悩むと言った場合に、異常・障害と言うべきでしょう。他人に被害を及ぼす典型的なものとして、以下のようなものがあげられます。窃視症(のぞき)、窃触症(さわり魔、痴漢)、露出症

■性欲障害の治療
性欲の亢進や性欲の低下は、明らかな精神疾患に基づく場合には精神科で、明らかな身体疾患がある場合には対応する各科での治療が優先されます。

そうでないものは性障害の専門家を受診するのがベストです。性欲障害の治療を行うのは、泌尿器科、産婦人科、精神科、心療内科です。しかし、性欲障害の専門家はごく少ないのが現状です。

日本性科学会では日本性科学会カウンセリング室を運営しているようです。そちらに相談するのも一法かもしれません。